記録することが
守ること
景観は静止していません。毎年、毎季節、変化し続けます。その変化を丁寧に記録することが、未来の人々に「かつてここはこうだった」という地図を手渡すことになります。アーカイブとは、土地への約束です。
記録 No. 001 — 2026年 春
境界標の石積み——土地の記憶を刻む
高原の各所に点在する石積みの境界標(ケアン)は、土地の所有と共有の境界を示す古代の標識です。GPSも地図もなかった時代、人々は石を積み上げることで「ここまでが私の土地」「ここからは共有地」を示しました。
現在も多くのケアンが原形を保っていますが、放牧圧の変化や気候変動による侵食が進んでいます。今回の記録では、確認できた143基のケアンをマッピングし、その状態を記録しました。
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記録 No. 002 — 2025年 秋
霧の稜線——視界ゼロの高原で記録した音の地図
霧が立ち込めた秋の朝、視覚的な記録が不可能な状況で、私たちは音の記録を試みました。風の方向、遠くの羊の鳴き声、水音の変化——これらを丁寧に記録することで、「見えない景観」の地図が生まれました。
音の景観(サウンドスケープ)は、視覚と同様に土地の性格を定義します。しかし記録の技術が未発達なため、多くが失われてきました。
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記録 No. 003 — 2025年 夏
夜明けのパノラマ——光の変化と景観の関係
一つの景観でも、光の角度によってまったく異なる表情を見せます。夜明けの水平光は稜線を際立たせ、正午の直射光は緑を飽和させ、夕暮れの暖光は石壁の質感を浮き彫りにします。
この記録では、同一地点から24時間にわたって撮影を行い、光と景観の関係を記録しました。土地の「一日の物語」が見えてきます。
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記録 No. 004 — 2025年 冬
乾積み石垣の調査——現存する技術と消えゆく知恵
高原地方に現存する乾積み石垣の総延長は、推定で数百キロメートルに及びます。しかしその建設技術を持つ職人は、急速に減少しています。この調査では、現役の石積み職人8名を訪問し、技術の記録と口述歴史の収集を行いました。
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記録件数
調査地点
年間記録巻数
記録職人数